ビッグデータとクラウドを想定したフォールトデータクラスタリングに基づくソフトウェア信頼性評価法

摘要

現在，クラウド上でビッグデータを扱う機会が多くなっている．クラウドコンピューティングの運用環境における信頼性評価について考えた場合，クラウドソフトウェアとデータベースソフトウェアとを統合した環境を考慮することが重要である．例えば，OpenStackにはHadoopと呼ばれるデータベースソフトウェアとの連携が可能となっているように，クラウドコンピューティングでビッグデータを扱う機会が増加している．したがって，クラウドコンピューティングの運用環境におけるソフトウェア故障に関して，クラウドソフトウェア内で発生するものだけではなく，データベースソフトウェア上で発生するソフトウェア故障を考慮することは非常に重要となる．例えば，クライアントとデータノードとの間に位置するネームノードに障害が発生した場合，クラウドソフトウェアにおける障害ではなく，データベースソフトウェアとの通信上の陣害となる．このため，クラウドソフトウェア単体としての信頼性評価を行うだけでなく，ソフトウェアシステム環境全体としての信頼性を評価する必要がある．本論文では，クラウドソフトウェアに対するフォールトデータのクラスタ分析に基づく信頼性評価法を提案する．具体的には，ビッグデータを扱うクラウドコンピューティングの運用上の特徴を包括するために，ソフトウェアフォールト発見数データに基づいてクラスタ分析を行う．また，クラスタ分析結果に基づいた信頼性評価モデルを提案する．さらに，実際のソフトウェア故障発生時間間隔データに対する数値例を示す．