MQL工作機械の動向

摘要

量産部品の切削加工において、MQL 工作機械の実ラインへの本格的な導入が行われるようになってきた。MQLはMinimal Quantity Lubricationの略で、従来多量に使用されてきたクーラントの代わりに最適最少量の潤滑液（おもに生分解性エステル）を工具先端部に軸心供給することで、高能率かつ高精度な加工を環境改善や省エネとともに実現することを目的とする加工法である。 従来MQL加工といえば、廃液の低減など環境改善がおもな効果として述べられてきたと思う。確かに「環境問題」はご承知のとおり切削加工においても重要なテーマであり真剣に取り組むユーザーも増えてきた。 しかしながら経験上それだけでは実ラインへの採用には至らないのが現実である。 筆者はしばしば下記のような会話を経験してきた。