光アクセスシステム技術

摘要

インターネットの爆発的な普及とIP(Internet Protocol) サービスの多様化に伴って，アクセスシステムの高速化·高機能化が急務となっている。アクセス系では，経済性，エリア展開が有利なADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)技術による高速化が先行してきたが，伝送帯域及び伝送距離の限界から，今後は，光アクセス技術を適用したFTTX(Fiber To The X)が本命と目されている。 現在の普及率はADSLの数％にとどまるが，各キヤリアの期待も大きく，今後，低価格化，新サービスの登場等によって大きく伸びる可能性が大きい。三菱電機では，これまで，NTT社及び北米のSBC (SBC Communications)社の指導を得てATM(Asynchronous Transfer Mode)ベースのPON伝送技術を適用した光アクセスシステム(ATM Passive Optical Network：APON)を開発してきた。 APONは，ATMをバックボーンとするマルチサービスプラットフォームとして位置付けられる。 また，国内のFTTH(Fiber to the Home)に向けて，PON伝送技術とイーサネット技術を組み合わせた経済性及びIPサービスとの親和性に優れた100M Fast EtherベースのEthernet-PON（EPON）光アクセスシステムを開発した。 現在，IEEE802.3ah EFM(Ethernet in the First Mile) では，伝送速度1.25GbpsのGigabit Ethernet-PON(GbE-PON)が標準化中であるが，当社では，EPONの上位機種としてGbE-PONの開発にも着手している。 本稿では，APON光アクセスシステム及びEPON光アクセスシステムの概要を紹介する。