モバイルオフィス構築技術

摘要

三菱電機インフォメーションテクノロジー㈱(MDIT)では，上質でセキュリティのしっかりしたワークプレイスを創造することが，モバイルオフィスの基本コンセプトと考えている。 それは，オフィスの内外，オンタイムやオフタイムなど，時間や場所といった既存の制約に縛られずに創造的かつ効率的なビジネスを実現できるオフィスである。 モバイルオフィスを導入すると，オフィスのどこにいても，いつでも，ノートPC (Personal Computer)を使って世界の情報（データ）にアクセスし，IP (Internet Protocol)電話を使って相手と直接コミュニケーションできる。 その結果として，“フリーアドレス”や“ペーパーレス”のような便利で快適なオフィス形態を生み出すことができ，オフィスの生産性も向上させることができる。 このようなモバイルオフィスでは，ユーザーが自由に移動できるように無線LAN (Local Area Network)を導入する。無線LAN環境上では，データ通信だけでなく，電話も無線IP電話を使用して，データと音声を統合する。 また，セキュリティ管理も本社（センター）で一元管理することでユーザーの移動に対処する。 MDITは，モバイルオフィスの実現のために無線LAN環境とIPベースのPBX (Private Branch eXchange)であるIP-PBXを導入することで，データ＋音声＋セキュリティの統合を実現する“モバイルオフィス·セントレックス”の技術を確立し，自社オフィスに導入してその成果を検証した。 本稿では，このようなモバイルオフィスを実現するモバイルオフィス·セントレックス技術とその導入効果について述べる。