最新のコンクリート用混和材料 3．コンクリート用化学混和剤の最新事情

摘要

JIS A 6204コンクリート用化学混和剤において，化学混和剤は主として，その界面活性剤作用および／又は水和調整作用によって，コンクリートの諸性質を改善するために用いる混和剤と定義されている．界面活性剤の作用の例として，乳化·分散（混ざり合わないものを混ぜる），湿潤·浸透（濡れやすくしみ込みやすくする），発泡·気泡（泡をたてたり，消したりする）などがある．界面活性剤の分子は特徴的な構造をしており，その分子構造を図1に示す．一つの分子の中に「水になじみやすい部分（親水基）」と「油になじみやすい部分（疎水基）」の両方を持ちあわせている．この分子が物質の境の面に作用して，界面の性質を変える働きをする．化学混和剤は，コンクリートの構成する材料であるセメント，骨材，水に次ぐ第4のコンクリート用材料として必要不可欠な構成要素となっている．本稿は，化学混和剤の中で，AE剤，AE減水剤（高機能タイプ），高性能減水剤および高性能AE減水剤について最新事情を解説する．