トマト養液栽培排液でエンサイを栽培

摘要

トマト固定培地耕において培養液をかけ流し式とした場合、施用した培養液の約20～30％が排液となる。この排液の中には硝酸、カリなどの富栄養化物質が含まれており、環境保全的見地から再利用が望ましい。また、肥料価格が不安定となっている今、排液の中に含まれるこれら肥科分も有効利用できれば経営的にもメリットとなりうる。そこで当所では養液栽培で生じる排液を他の作物に施用することを検討した。　今までに毒液栽培における排出培養液中に含まれる窒素を吸収させる作物としてソルガム、ポーチエラカ、エンサイで肥料吸収がよいことが報告されている（阿部ら、2003）。我々はこの中から種子が比較的安価で栽培が容易なエンサイを用い、収穫販売の可能性を検討するとともに排液の硝酸態窒素削減効果を調べた。利用した排液はトマトロックウールかけ流し式栽培から生じるものとし、試験をしたトマトの作型は神奈川県に多い作型である1月下旬定植7月下旬終了と8月下旬定植1月上旬終了の2作型組み合わせとした。