卜マ卜の養液土耕における施肥濃度と灌水量

摘要

これまで一般的に行われてきたトマトの施設栽培にお ける養水分管理は、灌水は数日に1回程度行い、施肥は 固形肥料を用いた基肥および数回の追肥として行われる。 そのため、土壌中の水分量や肥科濃度の変動が大きくな つてしまう。一方、養液土耕は基肥を必要とせず、作物 の生育や養分吸収特性に合わせて、必要な養水分を液肥 の形で毎日施す。よって、土壌中の水分量や肥料濃度の 変動は土耕より小さく 、生育の安定や収量の増加が期待 できるとされる。これまでにも養液土耕に関しては、葉 柄汁液中の硝酸ィォン濃度や、生育ステ一ジ別の施肥量など、多くの研究が行われてきた。しカゝし、吉田らによ ると、施肥濃度と1回当たり灌水量、および灌水量に よる土壤水分分布の差異と、養液土耕の生育安定、収量 増加などとの関連を詳細に調査した研究はほとんと:ない ということである。今回は、吉田らによる、トマトの養 液土耕における施肥濃度と量が生育と収量に及ほす 影響についての報告を紹介する。