サッマイモの生産と品種(13) - 品種編(6) 「ときまさり」

摘要

「ときまさり」は、高でん粉.多収の「スターチクイン」を母、極高でん粉.多収の「コナホマレ」を父とする交配組合わせから選抜した焼酎用品種である(図1)。いもは短紡錘形でやや大きく、皮色は極淡紅色を呈する(写真1)。焼酎用の主力品種「コガネセンガン」の短所であるサッマイモネコブセンチュゥ抵抗性や貯蔵性を改善しており、収量性は「コガネセンガン」対比で標準無マルチ栽培では同等、長期透明マルチ栽培で「コガネセンガン」より1割程度、晚植え無マルチ栽培では2割以上の多収となる(表1)。ただし早掘適性は低い。いずれの栽培条件においてもでん粉歩留りは「コガネセンガン」を1. 552 .0%程度上回る。品種登録出願を行つた2007年当時は、いも焼酎を主役とする第3次焼酎ブームが落ち着きをみせつつある頃で、焼酞需要の維持.拡大を模索する一部の焼酎メー力一では酒質の多様化を図るため、個性的な香味をもつ焼酎用品種へめ要望が高まっていた。