環境にやさしい農業について

摘要

人々の生活に欠かせない食科生産を円滑に行うためには、わが国における農業の、持続的な発展が必要である。 農村基本法においても、農業の「自然循環機能の維持増進」が不可欠であると記されている。 農業は、食料供給機能だけでなく、国土や環境の保全などの多面的機能を有しており、これら機能を将来にわたって維持することが必要である。 農業は、本来自然の力を活用して食科などを生産する自然と調和した産業である。 今日では、化学肥料や農薬等の開発により、安定した農業生産が行われている。 しかし、それら化学肥料や農薬への過度の依存による環境の悪化もみられてきている。 また、一方では堆肥など有機質資材の施用量が低下するなど、土づくりが十分に行われなくなったという一面も出てきている。 環境と調和のとれた持続的な農業生産が立ち行かない事態も生じるなど、農業生産活動に伴う環境への負荷が問題となってきている。