土壌診断に基づいた堆肥の活用

摘要

筆者らは劫年間以上にわたって全国各地の野菜産地で土壌診断調査を行い、土壌養分状態と農家の堆肥や肥料に対する意識を調べてきた。 その結果、多くの地域で本来痩せていたはずの日本の土が「肥えすきた土」になっていた。 具体的には、高明高EC、可給態リン酸や交換性カリウムの過剰などである。 そのような農家ほど堆肥を使った土づくりに熱心で「堆肥とは土づくり資利で、肥やしではない」と考えて堆肥とは別に肥料を施していた。 従来の稲わら堆肥がほとんど姿を消し、最近では堆肥といえば家畜ふん堆肥や汚泥堆肥、生ごみ堆肥などが主流になってしまったが、堆肥の質が変わっても堆肥に対する意識だけは変わっていない。