チリイチゴ（自イチゴ）果実の特徴と商業栽培の現状

摘要

現在世界中で商業栽培されているイチゴは、ほぼすべてFragaria X ananassaという学名で呼ばれるイチゴであり、米国東部のバージニア近辺に自生していたきき肯邑きとチリ中～南部に自生していたEchiloensisの野生種を、ヨーロッパで交配してできたものである（Darrow，1996）。 栽培種のE X ananassa果実は、ほぼ例外なく深紅の光沢を右するが、チリなど南米諸国のいくつかには、果実が成熟しても白～ピンクに留まるイチゴが商業栽培されている（Lavin and Maureira 2000；西沢．Retamales，2001）。 これらは植物学的にはEchiloensisに属し、チリではこれをFrutilla Chilena　 （チリイチゴ）　 あるいはFrutiua Blanca　 （白イチゴ）と呼んでいる（写真1）。