「前川次郎」の自発休眠覚醒期の推測

摘要

落葉果樹には、生育に適した温度条件であっても発芽や開花しない自発休眠と呼ばれる現象がある。 この現象は、ある一定期間低温に遭遇することで解除され、これを自発休眠が覚醒したと言い、その後、気温の上昇とともに発芽や開花が促される。 一方、ハウスを利用した促成栽培では、冬季のあまりに早い時期から加温を開始すると、自発休眠が覚醒するために必要な低温に充分遭遇できず、発芽や開花の遅れや不揃いなどの現象が起こる。 このため、ハウス栽培では自発休眠が覚醒した時期を確認した後に、加温を開始する必要がある。 したがって、自発休眠覚醒に適した低温とその遭遇時間を知ることは、ハウス栽培において重要なことである。