「ゆら早生」の品種特性と栽培技術

摘要

果実品質が良好で、食味のよい温州ミカンの「ゆら早生」は、本年釣200tが生産され、和歌山県内における品種更新の有望な極早生種として、今後も増加が見込まれている。 ここでは、これまでの栽培で明らかになってきた「ゆら早生」の品種特性と栽培上の留意点について紹介する。 和歌山県日高郡由良町の山口寛二氏が昭和60年に、自園の25年生「宮川早生」のうち、1樹の亜主枝に着色が極めて早い果実が数個結実しているのを籍施した。 そこで翌年より由良町農協（現グリーン目高農協）が中心となり、同国内に高接ぎをするとともに苗木を育成して樹体特性、果実品質の調査を開始した。 平成4年までの調査により、成熟期が早く果実品質が優れた枝変わりであることが確認されたため、由良町農協が種苗法に基づく登録申請を行い、平成7年9月14日付けで「ゆら早生」として品種登録された。