甘ガキ「冨有」の促成、抑制栽培技術

摘要

「官有」は岐阜県原産の品質の優れた甘ガキの代表品種であり、全国のカキ栽培面積の約3割を占める。 収穫期は11月以降の約1カ月間で、収穫最盛期となる11月下旬においては、市場出荷量もピークとなり、価格は低迷する傾向にある。 また、収穫作業が集中し、この時期は慢性的な労力不足が生じているため、収穫期の分散が課題となっている。 一方、収穫期の前進化を図るため、一部の産地で「刀根早生」、「前川次郎」等の促成栽培が行われているが、「官有」の促成栽培例はなく、11月以前の供給はほとんどない。 また、カキ生来の流通は12月10日頃で終了し、その後は短期冷蔵の果実となるが、生果の消費ニーズは高く、入荷量の減少により価格も安定的に高くなる。