野菜栽培における再生紙吹き付けマルチの利用

摘要

近年、自然環境の保全と生態系にやさしい農業鼓術が提唱されている。 従来から、畑地用のマルチ資材として主に農業用ポリエチレンフィルムが大豊に使用されてきたが、長い年月を経てもほとんど分解しないため大きな環境問題となっている。 またその対策の1つとして開発されたロール状紙マルチ資材は、形状や重量から敷設に難があり、敷設後もうねの谷部分の吸湿や風雨による破損、飛散等欠点が多い。 そこで、紙マルチの優れた点を活かしつつ、従来の敷設法とは全く異なったマルチング方法を開発した。 これは、整地うね立てした土壌面に水に溶解した再生紙パルプファイバーを直接吹き付けマルチングする方法で、「うねのマルチング方法およびマルチ材吹き付け装置」として兵庫県立北部農業技術センター、㈱大本組および吉田建設㈱が共同で考案、開発したものである（特許出願中）。 ここでは、本敷設法の概要とこれを夏期の軟弱野菜栽培に応用した例について紹介する。