日本産マルハナバチの施設トマトでの利用

摘要

施設トマトのポリネ一夕ー（受粉、送粉昆虫）として、セイヨウオオマルハナバチが日本に紹介されてから七年が経過した。 「マルハナバチ」という名前もトマト生産者だけでなく、園芸関係の方なら一度は耳にされていることであろう。 世界には約二五〇種のマルハナバチがおり、日本にも一四種類のマルハナバチが生息している。 しかし、本州以南では、平地性のマルハナバチの種類数は限られており、おなじみの虫とは言いづらい。 多くのハチ類が、執帯から亜執帯を分布の中心にしているのに対し、マルハナバチは寒冷で湿潤な気候を好む特徴があり、その体もふさふさの毛で覆われている。名前のとおりコロコロした形の丸いハナバチ（花蜂）　で、花の花粉と花蜜を餌としている。 ミツバチと近い種類のハチではあるが、その生活史は大きく異なる。