ラク卜フリンによる脂肪代谢の制御

摘要

ラク卜フェリンは乳由来の多機能性夕ンパク質である.最 近，ラグ卜フェリン腸溶錠を用いたヒ卜臨床試験によって， 内臓脂肪が有意に減少することが示された.ここでは，この 新知見を中心に，従来から報告されているラク卜フェリンと 脂質代謝との関係について，細胞レベル，動物レベル，ヒト レベルに層別して概説するとともに，ラクトフエリン腸溶錠 の内臓脂肪低減メカニズムについて考察を加える. メタボリックシンドローム(metabolic syndrome ； 代謝症候群，単にメタボとも）とは，内臓脂肪型肥満（内 臓肥満，腹部肥満）に高血糖，高血圧、高脂血症のうち 2つ以上を合併した状態をL、う.内臓脂肪が過剰にた まっていると，糖尿病や高血圧症，高脂血症といった生 活習慣病を併発しやすくなるとともに，動脈硬化が急速 に進行する.