中国の果樹政策と農民専業合作社 ～農民による協同組合の萌芽～

摘要

二〇〇九年二月、カンキッ産地である中国重慶市で、中国農林水産省副大臣を始め全国の省政府農業部門幹部や農業専門家、企業代表者合わせて一〇〇名あまりが一堂に会し、二〇〇三年一〇月以来およそ五年ぶりとなる「全国果実工作会議」（以下「会議」という）が開催された。　この間中国政府は、果樹農業の振興を図るために長期計画を相次いで打ち出し、一定の成果を挙げている。その意味でこの会議は、二〇〇三年以降の果樹政策を稔括し、現状と政策課題を検討する重要な会議といえよう。　本稿では、会議で披露された副大臣講話や後述の各種果樹振興計画も紹介しっつ、中国果樹政策を振り返り、現状と課題について述べる。