日本原発古事記 - 無花果の葉捲るも芥子の実を啄むべからず-

摘要

本年3月11日に発生した東日本大震災は、国内観測 史上最大のマグニチュード9.0. を記録し、津波や火災 によリ、多くの人に被害をもたらした。さらにそれだけではなく、地震による原子力発電所の 破損 . 爆発によリ、放射能の流出というあってはならな I、二次災害が弓Iき起こされている。その放射能は原子力 発電所の周辺だけではなく、遠く海を隔てた力リフ才ノレ ニァでまで観測されているほど広がリ、東京では、水道 水において乳児の摂取基準値を上回る放射能が検出され るなど、さまざまな現実的な被害、そしてそれに伴う風 評被害の深刻化が心配されている。私たちは原子力や放射能についてあまリにも知らない ことが多く、事態を正確に理解するための充分な基礎知 識を持たない。そこで、過去の事例から学ぶべきところがあると考え、 19 8 6年旧ソビエ卜のチェルノブイリ原子力発電所で の事故を受けて、原子力と人類との出会い、原子力とは いかなるものか、またその起こりうる影響について詳し く書かれた記事を今回、季刊誌『食』ょリここに転載さ せていただく。