五島列島から採捕された斑紋タコーサメハダテナガダコ？-

摘要

長崎県水産試験場（現在の長崎県総合水産試験場）の田代征秋資源科長（現，同漁業資源部長）より，福江水産業改良普及所に変わったタコが持ち込まれたので，調べて欲しいと言われたのが，平成8年冬のことであった。 写真（写真1）を見れば，確かに，赤褐色地に白色の不規則斑紋が体全体に特徴的に見られる。 これまで日本周辺海域から体表に斑紋のあるタコ類としてはワモンダコ，シマダコがよく知られているが，ワモンダコはその名のように腕膜に眼状紋をもっており，シマダコは外套膜上に帯状の縞模様がある。 今回捕られたタコのように大小の自点が外套膜や腕に散在する紋様は，それら2種とはまったく異なる。