八重山海域の沿岸性漁獲物について-八重山漁業協同組合魚市場における漁獲物測定調査-

摘要

サンゴ礁の広がる熱帯の海に囲まれた沖縄県は，サンゴ礁に生息する彩り豊かな魚の宝庫である。しかし，平成7年の沖縄県の漁獲統計によると（沖縄開発庁沖縄総合事務局農林水産部，1997），給漁獲量は約2万3千トン，このうちマグロ類が最も多く，約9千トンで40％を占め，主にサンゴ礁に生息する沿岸性の魚介藻類の漁獲量は約3，800トンで17％にすぎず，思いのほかその比重は低い。 このうちブダイ類が約790トン，タカサゴ類が600トン，ハタ類が430トン，アイゴ類が270トンであった。 沖縄海域の中でも，石垣支所がある八重山海域は沿岸怪魚介類の屈指の漁場になっており，八重山海域の総漁獲量約2，600トンのうち，沿岸性の魚介藻類は約720トンで28％を占め，沖縄全体での比率よりは高い。 主要種としては，タカサゴ類が約190トン，ブダイ類が100トン，ハタ類が90トン，アイゴ類が50トンであった。 このように沖縄の沿岸資源は思いのほか低水準であり，漁獲量やCPUEの経年変化においても多くの種でこれらの低下が指摘されており，この回復をはかる必要性が叫ばれている。このためには，資源の現状を捉え，資源管理，漁業管理を行わなければならないが，まずは漁獲物の年齢構成を知る必要がある。 市場での漁獲物測定はその第一歩である。