欧州におけるリサイクル関連技術の現状と動向(VIII)－ドイツの廃棄物処理企業の動き

摘要

ドイツの廃棄物処理業界はこの10年間で、他の業界には見られない変貌を遂げた。70年代以降、国民の環境意識は急速に高まった。 しかしその一方で、ごみ埋立処分場の残余容量が低下して、この20 年間で廃棄物処理問題に対する関心は非常に大きくなった。 廃棄物処理問題に関心を持ったのは大衆だけではない。 産業界もまたビジネスとして廃棄物処理への関心を高めていった。 それまでそれほど産業化されていたとはいえない廃棄物処理産業は、80年代終わりから90年代はじめにかけて資本集約度と高い成長率でとりわけ資金力のある大手企業グループに大きな利益を約束するものとなった。 90年代に入ると、連邦政府は包装政令や循環経済·廃棄物法、一般廃棄物技術指針など次々に廃棄物処理に関する法規を制定、それとともに循環経済という概念を導入した。