部品•原材料で中国への輸入依存度が高まるメコン諸国

摘要

ジェトロは先頃、『メコン•ビジネスニーズ調査2015』を取りまとめた。このレポートは、経産省が提唱•推進する「日メコン経済産業協力イニシアティブ」（MJ-CI行動計画）において、日本がメコン地域へ行う政策提言の基礎資料として活用されることを想定し、作成されている。チャイナ•プラス•ワンの観点からASEAN地域、とりわけメコン川流域で国境を接するカンボジア、ラオス、ミヤンマー、タイ、ベトナムの成長ポテンシャルが注目されて久しい。この5カ国は国情•風土、政治体制、経済発展の度合がそれぞれ異なるものの共通項も多い。またメコン諸国を取り巻く事業環境は刻々と変化しており、この5年間ほどをみてもインフラ整備のなど改善点はあるが、一方で人件費の上昇、税関手続きの煩雑さ、物流品質などが引き続き課題として指摘されている。今回のレポートは昨年から今年にかけて現地で実施した日系企業•団体に対するヒアリングに基づき、変化の早いメコン諸国におけるビジネス環境の課題を抽出したもの。以下、複数回に分けてレポートの中身を紹介していく。