1人当たりの出荷額等と付加価値額では製造業上位に来る紙パ

摘要

経産省は先頃、令和2年工業統計表の確報版を取りまとめた。これは令和元年（2019)を対象としているので、新型コロナ感染拡大前の数値ということになる。それによると2020年6月1日現在、従業者4人以上の事業所数は18万1,877力所(前年比△1.7%)、従業者数は771万7,646人(同△0.8%)。事業所数は4年連続のマィナスで、長期的にみても減少傾向が続いており、2010年の22万4,403力所を起点にすると20年は△19%と2割近くの減少である。また従業者数は2014年以降、前年を上回ってきたが、20年は7年ぶりのマイナスとなった。一方、2019年の製造品出荷額等は322兆5,334億円(前年比△2.8%)、付加価値額は100兆2.348億円(同厶3.9%)で、ともに2016年以来3年ぶりの前年割れ。紙・パルプについてみると、事業所数が5,338力所（同△0.5%)で製造業24業種中12番目に多く、全体に占める割合は2.9%。従業者数が18万7,842人（+0.4%)で24業種中15番目、構成比2.4%。現金給与総額が7,897億5,100万円（+1.7%)で同14番目、構成比2.2%。原材料使用額が4兆8,485億8,500万円（+0.4%)で13番目、構成比2.4%。製造品出荷額等が7兆6,878億6,900万円（+1.8%)で14番目、構成比2.4%。付加価値額が2兆3,946億9,300万円（+5.7%)で14番目、構成比2.4%。つまり多くの指標で真h中よりやや下、製造業全体に占める割合は2%台半ば～3%弱というのが紙パのポジションと言える。さらに1人当たりでみると現金給与総額は422万円で24業種中は位、製造品出荷額等は4,110万円で同8位、付加価値額は1.280万円で10位という位置にある。現金給与額ではやや見劣りするが、出荷額等と付加価値額はかなり上位にランクされている。これは1人当たりの生産性が比較的高いことを意味しており、産業として誇ってよい指標ではないか。