「一帯一路」構想の具体化は日本の海外事業に何をもたらすか

摘要

習近平国家主席が「一帯一路」構想を打ち出してから、まもなく4年。今年秋に予定されている共産党大会では、その最初の包括的な検証が行われる予定だ。当初“21世紀版シルクロード(東西回廊)”と形容された同構想だが、やがて単なるインフラ整備にとどまらず、その周辺への産業集積形成によって対象国とWin-Winの関係を築くことが重要な狙いのーつであると次第に理解されるようになってきた。では「一帯一路」構想は日本の貿易や対外戦略に、どのような影響を及ぼすのか。またAIIBとは、どのような関係があるのか。以下、ジェトロ·アジア経済研究所の上席主任調査研究員、大西康雄氏による論考を紹介する。