値上げと数量増で過去最高の利益となつた米国紙パの18年業績

摘要

米国紙パルプ企業の業績は、わずか1年の間に天地の開きをみせた。製造コストの上昇、利益の大幅な落ち込みという悲惨な状況に直面した2017年度が製紙部門で大規模な能力削減を強いられたのに対し、2018年度は紙パルプ製品の市況が強気に転じ、二桁の値上げが世界中で行われた好況の年として記録されるだろう。この復活劇は、2017年初に発生した急激なコスト上昇を逆パネとしている。これによって各社の収益は強い下押し圧力を受け、年度の後半は適正供給量の維持が喫緊の課題となった。