光合成細菌によるウラン，セシウム，ストロンチウム，有害金属の回収，および放射性セシウムの除染

摘要

光合成細菌Rhodobacter sphaeroides SSIをケイ酸多孔質セラミックに固定化し，放射性核種のウラン(U),ストロンチウム(Sr)，コバルト(Co)および水銀(Hg),クロム(Cr)，ヒ素(As)など有害金属除去を行なった。2～3日の処理で，U，Sr，Coはそれぞれ100，82，58%除去，回収された。Hg，Cr,Asなどもほぼ100%除去できた。さらに，SSIを廃棄物ガラスから作成した多孔質セラミックに固定化し，セシウム(Cs)およびSrの同時除去を行ない，3日でCsはほぼ100%,Srは61%の除去が達成できた。さらに，SSIをアルギン酸で固定化したビーズ(1～2cm)を用いて，放射能に汚染された福島市の公立学校のプールのへドロ除染を行ない，3日で14.35μSv/hの放射能が2.06に低下し，約90%の除染が可能であった。ビーズは回収後約600℃で乾燥させると，放射能の大気への飛散がなく，97～99%の減容化が可能であった。南相馬市の放射能汚染土壌を，乳酸菌(Lactobacillus casei)による嫌気処理と固定化SSIビーズ処理を組み合わせ処理したところ，24日後に土壌の放射能は元の土壌(10.45μ Sv/h)の67%除染が可能であった。バイォ実用的技術によるへドロ放射能の約90%,土壌放射能の約70%の除染は新知見であった。