塩素添加による消毒副生成物の生成における臭化物イオンとヨウ化物イオンの影響

摘要

浄水の処理過程である塩素処理によって生成する消毒副生成物（DBPs）が健康に悪影響を与えることが懸念されている。また、臭化物イオンとヨウ化物イオンが浄水の原水中に存在すると、塩素処理によって酸化してそれぞれ次亜臭素酸（HOBr）と次亜ヨウ素酸（HOI）を生成し、さらにこれらが原水中の有機物（NOM）と反応して臭素化DBPs、ヨウ素化DBPsを生成することがわかっている。これらDBPsの中で代表的なものにトリハロメタン（THMs）とハロ酢酸（HAAs）があり、理論的には塩素処理では塩素、臭素、ヨウ素を含有する10種のTHMsと19種のHAAsの全てが生成される。