小河内貯水池におけるアオコ発生抑制対策とその効果

摘要

ダム下流の冷水対策のためダム放流水深を中層から表層に変更して以降、藍藻類によるアオコ の発生が目立つ東京の小河内貯水池において、アオコの発生を効果的に抑制する方策を検討し、その有効性を検証した。まず、アオコの発生が汚濁負荷の大きい3河川の流人部で始まることを明らかにした。そして、アオコ発生メカニズムを踏まえた抑制対策として、3河川流入部へのアオコ分画フェンスの設置、分画フェンス上流域への表層水移送装置の設置、及び表層放流における放流水深の微調整の3つを選択し、湖水流動・水質モデルによるシミュレーションに基づき、フェンス設置位置と深さ、表流水の移送先、放流水深の調節幅等詳細条件を決定した。対策後年々アオコの発生規模が縮小しており、水質調査結果の解析から対策の有効性が実証できた。