飲料水供給システムにおけるガルバニック腐食

摘要

鉛に汚染された飲料水は、人体、特に子供や妊婦に深刻な健康被害を与えうる。1991年に鉛•銅規則が定められ、鉛の最大汚染目標が0.015 (mg/L)と決定され、その後、世界保健機関(WHO)の「飲料水における鉛濃度ガイドライン」として目標値が0.010 (mg/L)に定められた。しかし、このように鉛濃度の規制が厳しくなされているものの、現在においても鉛管や、鉛を含んだ真鍮(黄銅)等が使用されており、これらによる腐食生成物を含んだ飲料水が直接放出されている。特に近年の水道水における鉛濃度の上昇は、鉛管が使用されていない場所についても見受けられており、これは真鍮(黄銅)のような金属合金のガルバニック腐食が起因していると考えられている。本論文では、実際の飲料水での条件下のもと、ガルバニック腐食に影響を及ぼす要因及び状況について、実験結果をもとに評価を行う。