フランスにおけるコンセッション導入とわが国への示唆〜契約スキームや事業期間の多様性と事業実績を蓄積できる参加者体制を学ぶベぎ〜

摘要

フランスのPPP事業（官民連携事業）は，16世紀に個人の費用で運河を整備し，その対価として通行料の徴収などの特権を与えられたことが発祥であるという説がある。その対象分野は次第に拡大し19世紀末から20世紀初頭にかけて本格的に普及した。フランスでPPP事業が普及した背景には，公共サービスの供給は政府が責任を持つべきであるという考え方力《根本にあるそうだが，同時に公共サービスを効率的に提供できるのは公共よりも民間であるという認識も古くから定着していたことがある。このため，公共団体が提供する公共サービスの監督や監視を担い，民間事業者が提供を担うという官民間の役割分担や連携の考え方のもと，多様な分野で様々なPPP事業が発達してきた。