4.火力発電プラント構成機器の保守•診断技術: 3.ガスタービン及び付帯設備 2.ガスタービン高温部品の寿命延伸技術

摘要

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電設備は，低炭素社会へ向けたCO_2の削減，エネルギー利用の高効率化，経済性の向上，電源の確保，太陽光や風力などの再生可能エネルギーの増加による高負荷変動運用という市場要求に対応して増加している。コンバインドサイクルは，プラントの効率は高いがガスタービンのメンテナンス費が高いという課題がある。ガスタービンは，作動流体として高温燃焼ガスをもちいることから，燃焼器や動静翼などの高温部品は，高い熱応力や遠心力が作用する過酷な環境で使用されることから，蒸気タービンの部品とは異なり高温酸化や熱応力による損傷を受けることから定期的な補修と交換を繰り返しながら運用していく。高温部品は高価であることから，できる限り長時間使用していくことはメンテナンス費削減の効果が大きく，交換インターバルの延長につながる補修技術や，寿命再生，長寿命化という寿命延伸技術が求められている。東芝は，この課題を解決するために，高温部品の余寿命診断技術，寿命延伸技術の開発に積極的に取り組み広く実用化につなげ，ユーザーのメンテナンスコスト削減に貢献している。ここでは，これらの技術開発状況について紹介する。