緩和型執量計

摘要

固体の熱容量を測定する一つの手法として緩和法があり，そのための熱量計である．通常，小型の温度計とヒーターを設置した試料台と，一定温度に保持した熱浴とから構成され，両者は熱伝導率の小さな金属線で熱的に弱く結合されている。試料は，試料台にグリースやワニスで固定される。緩和法では，ヒーターによるパルス加熱に対する試料台の温度の時間変化（緩和）から熱容量を算出する。試料と試料台の熱接触が良い場合は単純な熱流バランスの式から試料の熱容量が得られるが，両者の間に熱抵抗がある場合はより複雑な解析モデルが必要となる。緩和法の利点は，1mg程度