西平重喜著「世論をさがし求めて」

摘要

著者と世論調査との係わりは60年に亙るという。大衆が何を考えているかを測定する手段が世論調査であり、調査対象の選び方などは統計技術によるから、世論調査の結果は統計である。本書では著者は先ず、世論とは何かを徹底的に追求している。古今東西に亙って世論というものの考え方をいろいろな角度で述べ、それだけで60頁近くも費やし、参考文献の紹介も15頁に亙る。よくも調べ挙げたものだと思う。世論とは、評者は「大衆の意思」であると思っていた。本書では多様な表現が示されているので、読者は各自適宜に考えればよいものであろう。評者の考えも外れてはいないと思う。