デフレのリスクの根源、なぜ「消費は美徳」、需要創造が鍵なのか

摘要

今日米欧の先進国3極において政策選択が大きくクローズアップされている。それは経済の安定と株価堅調がひとえに政策の支援のみによって維持されているからである。実際、欧州でも米国でも適切な政策なく放置されれば日本的デフレに陥ってしまうという懸念が共有されている。とすれば、「実体経済は余程類廃し、脆弱化している」との解釈が的を射ているように見えるが、そうだろうか。実際は、極めて好調な企業収益が長期にわたって続いており、それは企業における価値創造は健在であることを示している。企業の価値創造こそは資本主義の要であるから、先進国経済は類廃どころか極めて健全と考えるべきであろう。それではなぜデフレの危険が高まっているのか、なぜ経済は不安定なのか、の原因究明が必要である。