(寸多)(知寸)(知久)スタチスチック

摘要

1. 統計とは通常は、必ず量を対象にする。だから、量を問題にしない議論は統計的議論にはならない。しかし、量を問題にしない議論は多い。小泉構造改革路線やアベノミクスで格差が拡大したという議論があるが、それによって、どのくらい格差が拡大したのかという議論は聞かない。もちろん、アベノミクスで株が2倍に上がれば株を持っている人の資産は増え、持っていない人の資産は増えない。通常、株を持っている人はより豊かな人だから、資産格差は拡大する。しかし、もっとも労働条件の悪い人たちの賃金が上がっている。ブラック企業と言われている企業が、景気回復とともに人を集められなくなっている。賃金の面から言えば、格差は縮小しているはずだ。すると、資産の格差と賃金の格差をどう平均したら良いのかということになる。これを考えるには、量的思考、すなわち、統計的思考が必要になる。