歴史の中の統計学（47): 21世紀統計学の課題

摘要

20世紀末から21世紀にかけて、総理統計学にお いて、もちろんいろいろな形式の成果はあったけ れども、それについて、ここで説明することはで きない。しかし全体としていえば、ベイズ統計学 の復活以外に統計的方法の上で明確な1つの転機 を画するような発展があったとはいえない。べイ ズ統計学の復活はサヴエージによる主観確率論の 確立を契機としているが、それ以降のベイズ統計 学の支持者達が、すべて主観確率主義者であった とはいえない。確率論についての完全な主観主義 は、客観的データの分析法としての統計的方法の 基礎にはなり得ない。したがって、現実にベイズ 統計学の方法が用いられるとき、その論理的性格 には依然としてあいまいさが残っており、20世紀 末のベイズ統計学は、19世紀のベイズ統計学の復 活であっても、「新しいベイズ統計学の誕生」と 見ることはできない。