NATMとシールドトンネルの設計と実際: 3. NATMトンネルの設計

摘要

シールドトンネルや開削トンネルなどの都市部に建設されるトンネルと比較すると，山岳部に建設されるトンネルは土被りが大きく，延長も長くなることが多い。このため，山岳部に建設されるトンネルでは，事前の地質調査により地山を構成する材料の力学特性を精度良く評価することが難しくなる。その一方で，山岳工法（特に，後述するNATM）は，トンネル構造やその施工法を地山の状況に応じて柔軟に変えられる特徴を有する。このような背景から，山岳工法によるトンネルでは，施工前に必要以上に詳細な設計は行わないのが通常である。