Development of a New Non-aeration-based Sewage Treatment Technology: Performance Evaluation of a Full-scale Down-flow Hanging Sponge Reactor Employing Third-generation Sponge Carriers

摘要

この度は平成29年度論文奨励賞を授与いただき，誠に有難うございます。ご選考賜りました先生方ならびに日本水環境学会関係者の皆様方に，心より感謝申しあげます。受賞対象の論文は，途上国向けの下水処理技術として開発された下向流懸垂型スポンジ（Down-flow Hanging Sponge： DHS)法のィンドでの実証実験を評価したものです。DHS法を簡単に紹介すると，省エネで維持管理が容易な下水処理技術として1990年代に提案され，散水ろ床法の処理機構を基本原理とし，碎石ゃプラスチック担体に代わり"スポンジ"を微生物保持担体とするのが大きな特徴です。スポンジの空隙率は95%を超えるため，他の担体と比べ汚泥（微生物）を高濃度に保持可能で，担体を充填した反応槽（リアクター）を下水が流下する過程で空気中の酸素を下水中に取りこみ好気的な環境下で有機物分解および硝化反応が進行します。これまでにスポンジ形状や充填方式を改良することで，6タイプ（第1世代型〜第6世代型）のスポンジ担体が開発されています。下水以外の各種産業廃水処理にも適用が進められており，我々研究グループでの関連論文はこれまでに140本を超え，また類似の担体を使用した処理技術が海外の研究機関でも盛んに研究されています。