紀勢線における緊急地震速報•津波警報の自動放送機能の追加

摘要

JR西日本では地震に対する備えとして、阪神•淡路大震災の後、平成8年に山陽新幹線へ早期地震検知警報システム、平成10年にアーバン地区へ在来線地震情報早期伝達システムを、平成20年に全線区へ緊急地震速報システムを導入しており、地麓が発生した場合に列車無線を通して「地震の発生」と「緊急停止」を乗務員に指示する自動放送を流している。—昨年の東日本大震災を受けて、当社でもお客様.社員の命を守るために必要な対策について様々な検討を進めてきた。結果対策のひとつとして、紀勢線においては気象庁から発表される津波警報を緊急地震速報と同様に列車無線を通して乗務員に伝える機能を追加することとした。また、列車へ乗車中のお客様だけではなく駅で列車を待たれているお客様及び駅員その他関係者に周知するため、駅遠隔自動放送及び旅客一斉放送を通して「地震の発生」と「津波警報」を伝える自動放送を流す機能もあわせて追加する。本稿では緊急地震速報•津波警報を利用し列車•駅等に自動放送するシステムの構築手段及びその他の地簾津波対策について紹介する。