京都府福知山市• 尾藤断層（新称）の活断層露頭

摘要

丹波山地から中国山地に至る一帯には多数のリニアメントが認められているが,活断層として認定されているものは多くない（例えば，活断層研究会編，1980 ；中田· 今泉編，2002).一方，20世紀にはこの地域で1927年北 丹後地震（Mj = 7.3)，1943年鳥取地震（Mj = 7.2), 2000 年鳥取県西部地震（Mj = 7.3)のような地震断層の出現 を伴う大地震が発生している（図1；例えば.宇佐美ほ か，2013).このうち前2者においてはともに延長10 km以上の地震断層が出現した（例えば，岡田•松田， 1997 ；金田•岡田，2002)が,地震断層全体に対して断 層変位地形が確認できる区間は北丹後地震で30%程度， 鳥取地震で75%程度であった（Kaneda, 2003の図より 読み取り）.さらに2000年鳥取県西部地震は変位地形 が認められていない場所で発生し，事後のトレンチ調査 によって過去に同じ場所で活断層運動が行われていたこ とが確認された（伏島ほか，2002;井上ほか，2002).