池田湖の水質改善効果の数値シミュレーシヨン

摘要

鹿児島県南部に位置する池田湖は.表面積が約10.95km2, 最大深さが233mのカルデラ湖で.九州最大の湖である" (Fig.l).池田湖は，1980年代後半から底層の貧酸素化が 進み2),底生生物にも影響を及ぼしている3'.貧酸素化の 原因としては，集水域からの栄養塩の流入.気候変動によ る鉛直循環の変化などが考えられる.池田湖では，1982 年より導水事業が行われ，周辺地域の灌漑事業用の貯水湖 としても用いられるようになった.池田湖からの取水を農 業に用いて，農業で使用した後の栄養塩を含んだ河川水を 池田湖に注水することによって，栄養塩負荷量が増大した. 一方，池田湖周辺の指宿等のァメダスのデータによれば， 1980年代以降気温が少しずつ上昇しており.池田湖の鉛 直循環が弱まっていることが考えられる4).