安全安心の評価に必要な加速度標準の開発5，000m／S2までの加速度計測を支える校正技術加速度計測の必要性

摘要

加速度計測は、身近なものではノートパソコンのハードディスクドライブの保護やカーナビゲーションシステムの位置補正などで使われています.また、近年の技術の進歩による小型軽量化や低価格化、高付加価値化に伴い、加速度 計の利用は幅広い分野に広がっており、より大きい加速度をより正確に測定したいという要望が増えてきています.自動車衝突時のエアバッグ制御や人体安全性、さらには携帯電話・ノートパソコンなどの耐衝撃性を評価するためには、10，000m／s2（重力加速度の約1，000倍）までの精密な加速度計測が必要とされています.しかし、これまで産総研が提供してきた振動加速度校正サービスでは[1]、発生できる加速度の上限は200m／s2にとどまっていました.そのため、産業界では加速度計の校正結果を外挿するなどの次善の策が取られていました.これまでの上限を拡張して、実際に利用する加速度レベルで校正するために、新たな衝撃加速度校正システムの開発を行いました.