ガラス面結露対策のシミュレーション検討 ガラスカーテンウォールスパンドレル部の結露防止に関する研究 その2

摘要

ガラスカーテンウォールスパンドレル部において運用時および施工時に発生する結露に対する対策を検討するため、シミュレーションによるケーススタディーを行い、下記を明らかにした。運用時に発生する結露に関して1.一般的に用いられる「標準条件」の場合、各方位•各高さとも結露し、特に北側の中•高層階の結露が多い。2.室内側の気密化(ガスケット•シール)により結露量を減少させることはできるが、ケイ酸カルシウム板の吸放湿•透湿の影響があるため解消はしない。3.ガスケットを用い外気側の換気孔として換気孔4(6mm×60mmの換気孔を上下に各4個)程度の開口を設けると結露は解消する。4.ガスケットを用いてアルミ板を用いた場合、低•中層の結露はほぼ解消するが、北側高層階においてわずかに残る。5.シールとアルミ板を用いると結露は解消する。6.ペアガラスの場合は結露はほぼ解消する。7.室内側にウレタンを用いた場合は日射が当たる面での結露量が增加する。換気孔4程度の開口を設けると南側以外の結露は解消する。施工時に発生する結露に関して7.室内側の隙間にガスケットを用いる場合、各方位•各季節ともケイ酸カルシウム板からの放湿により施工中に一時的に結露する。8.日射の影響を受ける方位の結露が多く、北側では結露量は少ないが長時間ガラス面に結露水が付いた状態になる。9.外気側に6mm×60mmの換気孔を上下に各4個設けると結露は解消する。10.ケイカル板裏面にウレタンがある場合やケイ酸カルシウム板の塗装の日射吸収率が高くなった場合、ケイ酸カルシウム板からの放湿量が増加するため結露量は増える。11.アルミ板•低含水のケイ酸カルシウム板•ペアガラスも結露対策効果がある。12.施工中の結露は一時的な結露であるため、解消するまで様チを見ることも対応となりうる。%Recently, there are a lot of buildings which have glass curtain walls from the design point of view. However, condensation often occurs on the spandrels. In this study, case studies are conducted using simulations to prevent condensation on the spandrel glass both in the construction and operational phases. In the standard condition, condensation occurs on the spandrel glass regardless of orientation and floor height. It is possible to prevent condensation by increasing the airtightness by gaskets and exhausting the moisture from the calcium silicate board by the installation of ventilation openings.