中間調

摘要

アメリカのバイオベンチャー企業が通常の2倍の速さで成長する遺伝子を組み替えたサケを販売した。遺伝子組換えされた動物が商品として一般に販売されるのは世界初で，1月〜6月の間にカナダで約5トンが通常のサケと同程度の価格で出荷された。組換え元のサケは一年の内，暖かい半年間しか成長ホルモンを分泌しないが，深海魚の遺伝子を組み合わせることで，年間を通して成長させられるという。開発者によると味は通常のサケとまったく同じらしい。販売された遺伝子組換え動物こそ今回が初になるが，開発が進んでいる動植物には，羽のないにわとりや人の母乳を出す牛，サソリの遺伝子を組み込み，イモムシを殺す毒を放つキャベツなども存在している。環境保護団体から「安全性が不明」との懸念の声が上がつているものの，市場が安さを求める限りこれらの食品が知らずに生活に入り込む日も遠くないかもしれない。