八ッ場ダム湖面3橋の5径間連続橋の構造形式と施工: エクストラドーズド橋,PC複合トラス·エクストラドーズド橋，Y字形橋脚の箱珩ラーメン橋

摘要

八ッ場ダム湖面1号,2号，3号橋は,吾妻川中流に計画中の八ッ場ダム湖面を渡るPC橋である。八ッ場ダムから上流側に数えて，1号橋(八ッ場大橋)，2号橋(不動大橋)，3号橋(丸岩大橋)で，いずれも主桁がPC5径間の連続橋である。そしてそれぞれ，ェクストラドーズド橋，鋼·コンクリート複合トラスのェクストラドーズド橋，Y字形橋脚の箱桁ラーメン橋である。わずか3kmの区間において，橋長が442mから590mの間で，5径間の連続橋で統一した3種類の構造形式が採用され,独自の景観美が発揮されている。2号橋(不動大橋)は，橋長が一番長く,PC複合トラス構造を主桁としたェクストラドーズド橋としては，世界で最初の構造形式である。次に長い湖面1号橋は，主桁がPC箱桁形式のェクストラドーズド橋で，湖面3号橋は主桁がPC箱桁形式のラーメン橋であるが,中央の2本の橋脚はY字形として，主桁の桁高を低減している。本稿では，八ッ場ダム湖面1号，2号，3号橋における5径間連続橋で統一した設計と施工の技術的特徴を相互に比較した結果について報告する。そして，主桁がPC5径間のわが国で代表的な橋が3橋も,狭い区間に,技術的，景観的検討を経て,最適な選定がなされ，建設されていることを強調する。