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摘要

相良氏は，食嗜好の多様化，市場における商品寿命の短命化，商品の差別化と選択の困難性など，複雑化する食マーケットにおいて，消費者の欲求を満足させるブランディングの方法論を確立するニーズに対応するため，消費者を起点とした新たな研究分野として「食感性工学」を提唱してきました。「食嗜好は食に遭遇したヒトの五感コミュニケーションにより形成され，その育成プロセスで感性との融合が進展する」というコンセプトを基盤とした「食感性モデル」を開発し，食製品の品質評価や設計，機器計測と官能評価をデータベースとする解析法，製造プロセスの最適制御およびブランディングに貢献する包装容器の設計技術などに適用してきました。本講演では，そのモデルの仕組みを解説いただきながら，ヒット商品のブランディングに貢献した事例についてご紹介いただきました。