「選択と集中」の次は「配置転換」研究開発の現場に吹き荒れる嵐: 「V字回復」を遂げた松下電器産業と三菱電機に見る変化

摘要

3月締めの会計年度を採用する企業では第3四半期までの業績が確定し，2006年度（2006年4月～2007年3月）の業績も見えてきた。全般に好業績で年度末を迎える企業が多いが，その中でもここ数年で劇的な回復を果たしたのが松下電器産業と三菱電機である。両社に共通しているのは，経営者が事業の「選択と集中」を進めたこと。もうからない事業から経営資源を引き上げ，もうかる事業に再分配したのが功を奏した。こうした経緯もあり経営判断ばかりが注目されがちだが，研究開発の現場も「選択と集中」による影響を確実に受けているようだ。