地盤対策: 地盤調查、地盤補強、地盤改良による安全對策

摘要

先の震災以降、各種報道などによって、地盤の重要性は広く一般に知られることとなった。液状化被害をはじめ、特に住宅における地盤トラブルについては、理解を深め、その重要性を認識する施主も増えてきている。信頼性の高い地盤調査の実施や、その結果による補強•改良工事の提案など、地盤に対する設計者の責任はこれまで以上に重要だ。液状化や不同沈下など、住宅地盤のトラブルは、地盤の支持力（許容応力度）不足によるものではなく、土質を原因とするものが多い。これは現在、住宅分野で広く一般的に用いられているスゥェーデン式サウンディング調査(以降、SWS調査）では通常、土質のサンプリングが行われず、また土質に関しては、厳密な法夫見制がないことが要因のひとつと考えられる。設計者の多くも、地盤の許容応力度に対しては、注意を払うが、土質調査についてはコストの問題も関係するため、あまり注力せずに過ごしてきた傾向があるだろう。しかし、先の震災を巡る幸随などで広く知られるとおり、液状化は地下水位の高い砂質土層で生じる現象だ。不同沈下については、原因を簡単にまとめることが難しいが、一般的に軟弱層や、地下水の多い層が地表に近い場合に、地盤が圧密沈下を起こしトラブルを引き起こす例が多いとされる。いずれも、SWS調査だけでは確認が難しく、許容応力度の数値からは計りきれない要素が原因だ。