モノコックボディ各部の呼称と現在のボディ設計事例

摘要

フロントサイドメンバーをダッシュボード側で二股に分けて衝突エネルギーの分散化を図るというアイデアは80年代末期に登場した。現在はAピラー根元の三角地帯を利用し、フロントホイールハウス・アッパーメンバーとの組み合わせで衝突エネルギーを吸収する構造が流行している。 自動車事故のなかでもっとも多い前面衝突の際には、左右の前輪内側にある1本ずつのサイドメンバーが衝突エネルギーを吸収し、エンジンが車室（キャビン）に進入するのを防ぐこの太いメンバーを真っ直ぐに車室床まで通す設計が近年の特徴である。また、フロントサイドメンバーとダッシュボード・ロワーを結ぶ位置に斜めのレインフォースメント（補強材）を筋交いのように入れる例が増えている。これはフロントサイドメンバーで受けた入力をAビラ⊥方向に分散させるためだ。